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結婚とは最も長い……


   2000年夏、教え子の結婚式で、ボストンに行きました。
  そのとき、教え子に頼まれて、詩を作り二人に贈りました。米国の結婚式では、そのような
 ことがよくあるようで、結婚式でも朗読しました。
  本日、教え子の結婚式に出席し、久しぶりにあの詩のことを思い出しました。


  結婚とは最も長い…

榊 邦彦          

 結婚とは、最も長い時間の共有である。
 あなたを育てた親よりも、
 あなたが育てる子供よりも、
 あなたは、
 あなたの選んだ人と、
 家庭という名の、
 最も長い時間を共有する。

 結婚とは、最も長い共同作業である。
 あなたが、これから一生を費やす仕事もあるだろう。
 しかし、それよりもずっとずっと長く、
 あなたは、
 あなたの選んだ人と、
 二人という名の、
 果てしない仕事を続ける。

 結婚とは、最も長い約束である。
 与えられた血縁でもなく、
 気が付けば隣にいた友人や恋人でもない。
 結婚は、ただ一つ、
 互いが、対等に、
 選びとり、結び合う、
 「約束」の関係である。

 あなたと
 あなたの選んだ人とは、
 今、
 人生において、
 最も崇高な「長い約束」を結んだ。

 結婚とは、
 「最も長い時間の共有」であり、
 「最も長い共同作業」であり、
 「最も長い約束」であるが、
 しかし、結婚の真の秘密は、
 「最も長いなにか」ではなく、
 一つの豊かな庭へと続く、最も近い道程なのだ。

 その庭には、
 信頼という名の大地に、
 愛情という名の花が咲いている。
 その庭には、
 尊敬という名の樹木が育ち、
 安心という名の泉が湧いている。
 その庭には、
 勇気という名の風が訪れ、
 希望という名の日差しが降り注ぐだろう。

 その庭の名は、
 「幸福」である。

 その庭の住人は、
 「あなたたち」である。

                                  
 
                                              2009.1月記
  


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